年齢とともに女性が妊娠しにくくなる”卵子の老化”の原因が明らかになった。関連論文は2013.02.13日付の米医学誌 ”サイエンス展開医療”(Science Translational Medicine)に掲載された。
米国ニューヨーク大学医学部の研究チームは、この場合、卵子のもとになる卵母細胞のDNAが損傷された時、その回復機能が低下していることを確認し、不妊治療に役立つ研究成果として注目されていると発表した。 研究チームは、生後11〜12ヶ月のマウスと生後4〜5週の子供のマウスを対象に、卵母細胞の遺伝子を比較した。
高齢のマウスほど損傷しているDNAを回復させる4つの遺伝子の働きが低下していることが確認された。
また、4つの遺伝子のうち、乳がんの発症を抑制する “BRCA1″を人工的に失われたマウスは、通常よりも半分しか卵母細胞を作ることができなかった。
また、この遺伝子に異常がある24人(平均34.8歳)の血液検査で卵巣の中の卵母細胞の数を推定した結果、異常がない60人(36.3歳)に比べてその数が半分程度に減少していることを確認された。
研究チームは”今回の研究成果を活用して、卵母細胞のDNAを回復させることができれば、卵巣の老化の速度を遅くすることができる”と説明した。
専門家たちは、これまで卵子の老化のメカニズムは謎に囲まれていただけに、今回の研究成果の意義は大きいと明らかにした。
ただ癌に関与する遺伝子を使用することは安全面で難しいため、今回の成果はすぐに治療につながるとは断定することはできないという立場である。
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